若者たちが日々使うスラングには、その時代の空気や文化、コミュニケーションスタイルが色濃く反映されています。
2025年現在、Z世代・α世代の間では、SNSや動画アプリを通じて新しい言葉が次々と生まれ、そして消費されていく光景が当たり前になっています。
本記事では、2025年時点で10代・20代の間で実際に使われている最新スラングTOP10を厳選し、その意味や使い方、背景を解説していきます。
単なる流行語の紹介にとどまらず、スラングを通して見えてくる若者の価値観や社会的背景にも注目していきましょう。
最新スラングTOP10【2025年版】

2025年現在、実際に使われている最新スラングを、本ブログ内の人気ランキングなどをもとに選定しました。
ここでは、それぞれのスラングについて「意味」「使われ方」「広まった背景」まで丁寧に解説していきます。
第1位:暴走モルモット
「暴走モルモット」とは、韓国のガールズグループIVE(アイヴ)の日本人メンバー、レイが楽曲「ATTITUDE」のパフォーマンス中に見せた特徴的な振り付けに由来する愛称です。
彼女が低い姿勢で腕を力強く振りながら前進する動きが、まるで「暴走するモルモット」のようだとファンの間で話題になり、この名称が広まりました。
第2位:スーパージゼルタイム
「スーパージゼルタイム」とは、K-POPグループaespa(エスパ)のジゼルが、楽曲「Whiplash」のパフォーマンス中に披露した特徴的な振り付けがきっかけで生まれたネットミームです。
ジゼルがソロパートでカメラに抜かれながら決めポーズを取る瞬間がインパクト大で、ファンの間で「スーパージゼルタイム」と呼ばれるようになり、SNSなどでネタとして広まりました。

第3位:UNDEADダンス
「UNDEADダンス」とは、YOASOBIの楽曲『UNDEAD』に合わせて踊るダンスパフォーマンスで、主にTikTokやYouTubeなどのショート動画プラットフォームで人気を博しています。
最初に投稿したのはTikTokクリエイターの澤村光彩(さわむら こうさい)さんです。この投稿動画がきっかけとなり、一気に流行が広がりました。
音楽と動きが融合した「UNDEADダンス」は、多くの模倣とアレンジを生み、今ではTikTokカルチャーの中でも一目置かれる存在となっています。

第4位:切り替えピース
「切り替えピース」は、YouTubeチャンネル「テセサクch」が発案したパフォーマンスで、気持ちをリセットするためのユニークな動作として広まりました。
このパフォーマンスは、以下のステップで構成されています。
- 「きーりーかーえ!」と掛け声をかける
- 両手で2回手をたたく(パチン、パチン)
- 両手でピースサインを作る
気分や状況を瞬時に切り替えることを象徴するアクションとして、多くの人々に親しまれています。

第5位:愛♡スクリ〜ム!
「愛♡スクリ〜ム!」は、2025年1月22日にリリースされた、ラブライブ!シリーズ発のスペシャルユニット「AiScReam(アイスクリーム)」のデビューシングルです。
特に、セリフパートを活用したダンス動画やリップシンク動画が多数投稿され、ラブライブ!ファン以外にも広がりを見せました。
「愛♡スクリ〜ム!」は、キャッチーなメロディと可愛らしいセリフパートで、多くのファンの心を掴んだ楽曲です。今後のAiScReam(アイスクリーム)の活動にも注目が集まります。

第6位:自習で大騒ぎ
「自習で大騒ぎ」は、教室での自習時間中に男子生徒が突如立ち上がり、陽気なダンスを披露する映像がSNSで拡散され、ネットミームとして話題となった現象です。
沖縄県の興南高校の生徒によって撮影されたもので、TikTokやYouTubeで多くの視聴者の注目を集めました。
「自習で大騒ぎ」は、学生たちのユーモアと創造力が生み出したネットミームであり、SNSを通じて多くの人々に笑いや共感を提供しています。
今後も、さまざまなバリエーションやパロディが登場し、ミームとしての進化が期待されます。

第7位:倍倍FIGHT!
「倍倍FIGHT!」は、原宿発の7人組アイドルグループCANDY TUNEが2024年4月にリリースした楽曲で、TikTokを中心に大きな話題を呼んでいます。
TikTokの人気曲ランキングで1位を獲得し、Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」でもトップ10入りを果たすなど、SNSを中心にバイラルヒットを記録しています。
「倍倍FIGHT!」は、夢や目標に向かって頑張る人々にエールを送るポジティブなメッセージが込められており、CANDY TUNEの明るく元気なパフォーマンスと相まって、多くのファンの心を掴んでいます。

第8位:スーパーいいじゃんタイム
「スーパーいいじゃんタイム」は、5人組ダンスボーカルグループM!LK(ミルク)の楽曲『イイじゃん』に登場するフレーズで、ライブやSNSで話題となったネットミームです。
M!LKの楽曲『イイじゃん』の中で使用されており、楽曲の盛り上がるポイントとしてファンの間で親しまれていました。
「スーパーいいじゃんタイム」は、楽曲の一部から生まれたフレーズが、SNSを通じて多くの人々に広まり、ポジティブな気持ちを共有するネットミームとして定着した例です。今後も、さまざまな場面でこのフレーズが使われることでしょう。

第9位:はいよろこんで
「はいよろこんで」は、マルチクリエイター・こっちのけんと(菅生健人)による2024年5月27日リリースの楽曲で、SNSを中心に大きな話題を呼んだネットミームです。
楽曲のミュージックビデオ(MV)は、昭和時代のアニメ風のレトロなビジュアルが特徴で、映像作家のかねひさ和哉が手がけました。
「はいよろこんで」は、ポップなメロディと深いメッセージ性を兼ね備えた楽曲であり、多くの人々に勇気や元気を与えるネットミームとして定着しています。今後も、さまざまな形でこのフレーズが使われることでしょう。

第10位:ジェニーチャレンジ
「ジェニーチャレンジ」は、BLACKPINKのジェニーが2025年3月にリリースしたソロ曲『Like JENNIE』で披露した、スタイリッシュなダンスパフォーマンスを真似するムーブメントです。
ジェニーの圧倒的なカリスマ性と表現力のある動きがSNS上で注目を集め、TikTokやInstagramを中心に「#LikeJENNIE」などのタグでユーザーが同じダンスを披露するチャレンジ動画が爆発的に拡散されました。
現在では、世界中のファンが参加するグローバルミームとして定着しています。

若者のスラング使い分けの実態

スラングは単に流行している言葉を“真似る”だけではなく、使う場面や相手、メディアによって微妙に使い分けられています。
ここでは、主にSNSと現実の場面で、スラングがどのように使い分けられているのかを見ていきましょう。
LINEとXでの使い方の違い
LINEでは、スラングは比較的“気心の知れた相手”とのやり取りに限定して使われる傾向があります。たとえば、「切り替えピース✌️」「スーパーいいじゃんタイム」などは、友達同士のグループLINEでの軽口や、テンションの共有手段としてよく使われます。
一方、X(旧Twitter)ではスラングの使われ方にもう少しパフォーマンス的な要素が加わります。自分の感情を“演出”して見せるために、「暴走モルモットかました日」「愛♡スクリ〜ム案件」など、投稿のテンションをコントロールする手段として機能します。
つまり、LINEは身内感、Xは“見られる前提”のテンプレ的表現に寄っており、同じスラングでもニュアンスの使い分けが求められているのです。
学校・バイトなどリアルな場面での用法
ネットで生まれたスラングが、リアルな場面でも自然に使われるのが現代の特徴です。教室で友達に「はいよろこんで〜」と返す、部活前に「倍倍FIGHT!で行くわ」と気合を入れるなど、日常の一コマにスラングが溶け込んでいます。
また、若者同士の会話では、単語だけでなくジェスチャーやイントネーションも含めて“スラング表現”と認識されています。たとえば、「切り替えピース」は実際にピースサインをしながら言うのが定番。こうした“音+動き”による体感的な表現は、動画時代を生きる世代ならではの特徴です。
ただし、相手や空気を選ばないと「イタい」と思われるリスクもあるため、自然にスラングを使いこなすには、相当な“場読み”の感覚も必要とされます。
“共感を得る言葉”としての戦略性
Z世代のスラングの多くは、情報を伝えるよりも“共感を得るための装置”として使われています。たとえば、「しんどみ」「わかりみ」などは、感情をストレートに出すよりも、少しぼかして言うことで“わかってる人同士の共鳴”を生む構造になっています。
また、TikTokやXの投稿でも、「自分がウケるより、共感されるほうが嬉しい」という感覚が強いため、スラングはその“共感導線”として非常に効果的に使われているのです。
つまり、現代のスラングは、言葉そのものの面白さよりも、「これ使えば共感される」「バズるかも」という戦略的な使われ方がされている場面が増えており、若者の言語感覚の洗練度を物語っています。
最新スラングTOP10に関するよくある質問

スラング最新ランキングに関するよくある質問をまとめました。
どこでスラングを知るの?
現在、スラングの発信源はほぼSNSといっても過言ではありません。中でもTikTok、X(旧Twitter)、Instagramのリール機能が中心的な役割を果たしています。
YouTubeのショート動画やVTuber配信、さらにはオタク文化・アイドルファンダム内でも独自のスラングが次々に生まれており、いまや“スラング発掘”はカルチャーを楽しむ一部にもなっています。
若者はなぜスラングを多用するの?
スラングは、ただ流行を追うだけの“言葉遊び”ではなく、自己表現と共感のツールとして活用されています。
短くてテンポがよく、意味が曖昧なスラングだからこそ、場の空気やノリに柔軟に対応できるという利点があります。
スラングは大人が使ってもいいの?
答えは「場合によってはYES、でも慎重に」。
若者スラングは世代内の“ノリ”や“距離感”を前提とした表現であるため、年齢や立場の違う人が使うと、意図と異なる印象を与えてしまうことがあります。
重要なのは“使うこと”ではなく“理解しようとする姿勢”であり、それがあれば世代を越えてスラングを語り合うことも十分可能です。
最新スラングTOP10まとめ

この記事では、2025年の最新スラングTOP10を通して、Z世代・α世代がどのように言葉を使い、どのように共感や感情を表現しているのかを見てきました。
スラングは一見くだけた言葉に見えながらも、実はその時代を映し出す“文化の鏡”としての役割を果たしています。
スラングを通して若者の使う言葉を知ることは、単に流行を追うことではなく、彼らの価値観やコミュニケーションスタイルを理解することにもつながります。
知らない言葉に出会ったとき、すぐに否定するのではなく、「どういう意味?」「なんで流行ったの?」と興味を持つことが、現代的なリテラシーの第一歩です。
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